【超入門編・図解】自宅で10分で作れる!鍋を使った初心者向けお手軽燻製のやり方と準備するもの

燻製やりたいな~と思っている人や、ちょっと試した人から、こんな話を良く聞きます。
- 燻製簡単にできるみたいだけど、自宅に燻製器買っても邪魔になりそう💦
- 燻製って時間かかって大変そう・・
- 何の食材を燻製すると簡単なんだろう??
- 煙かけるだけっていうけど、本当に何も気にしなくても良いの?
自宅に燻製器買っても邪魔になりそう → お試しで燻製器は必要無いです!
時間かかって大変そう・・ → お手軽燻製なら10分です!
何の食材を? → 向いている食材の傾向があります!
煙かけるだけ? → 半分正解ですが、気を付けることはあります!
というわけでこの記事で上記を絵を使って説明し、解決していきます👍
この記事を読むとわかること
- 燻製の基礎知識。燻煙ってなに?
- 鍋を使った燻製に必要なもの
- 鍋を使った燻製のやり方と注意点
- 鍋を使った燻製に適した熱燻のやり方と注意点
- 鍋を使った燻製に適したスモークチップの使い方・選び方
- 鍋を使った燻製(熱燻)に適した食材の選び方・避けた方が良い食材
筆者は2009年から燻製を作り続け、キッチンで10分あれば出来る燻製から大型のスモーカー(燻製器)を使った1か月かかる本格的な燻製まで、色々なレシピを考えています。
燻製が一般的でない頃から燻製教室を行って燻製を広めたりもしています。
この記事の内容も燻製教室で使っている資料の一部です。
また、本ブログでは簡単燻製レシピから大型スモーカーを使った本格燻製レシピまで、様々な燻製の作り方を公開しています。
最小限の物で
トライしよう!
燻製の目的
燻製は、元々は肉や魚などの傷み易い食材を長期間保存するための加工技術でした。
しかし現代では、食品添加物によって防腐したり冷蔵・冷凍技術により簡単に長期保存が可能になりました。
現代における燻製は保存そのものよりも、風味を与え熟成による深い旨味を得ることが主な目的として使われています。
以下記事で、燻製の基本について詳しく説明しています。
ブログ内参考記事:【燻製は熟成】燻製の基礎知識。燻製とは?燻製の効果と種類、現代の燻製、世界の燻製
お手軽燻製でやる、燻製の工程
本格的な燻製の工程は大変!
下処理→塩漬け→塩抜き→風乾→燻煙→熟成

お店で売られているような本格的なベーコンやスモークサーモンは、上記のような工程で作られています。鮭トバや生ハム等は1カ月以上かけて作ることもあります!
私が書いている本格ベーコンの記事なども、この方法でやっています。
お手軽燻製は、風乾→燻煙→熟成だけ!

お手軽燻製では、仕上げの工程だけで済むような食材を買ってきます。
とはいえ、どんなお手軽食材でも「風乾」「熟成」が必要です!
試しに買ってきた食材を燻煙してみたけど美味しくない!という場合、「風乾」「熟成」に問題がある事が多いです。
- 風乾:食材の表面を触って手に水がつかないくらいに乾かす
- 熟成:最低でも数分は待ってから食べる
問題があると言っても、「風乾」「熟成」どちらも結局「放置するだけ」!
何も難しいことはありません😊
「風乾」をせず食材表面の水分が多いまま燻製をすると、渋くなって燻製は失敗となってしまいます😱
こうなると、熟成を長くやってもあまり美味しくなりません。。
最初から乾いている食材はそのままでOKですが、市販のベーコンやウィンナーは想像以上に水気があるので注意!
「熟成」は、燻煙の時間によるのですが、最低でも数分は待ってから食べましょう!
煙かけすぎたと思ったら、一時間から一晩放置して熟成したら逆に美味しくなっていることもあります♪
難しい工程はやらない!
「風乾」「熟成」だけやる!
【実践】鍋でやる、お手軽燻製の手順
お手軽燻製としてオススメの方法、鍋を使った燻製をご紹介します!
燻製器(スモーカー)の役割
燻製器(スモーカー)は、燻煙工程において煙を閉じ込め、効率的に燻製を作るために必須のものです。ステンレス製、木製、鍋タイプ、段ボールなど様々な素材の燻製器があり、燻製器によってやりやすい食材の大きさや燻煙の温度が異なります。
鍋を使った燻製は「冷燻」「温燻」「熱燻」のうち、「熱燻」をやる。

燻製には大きく分けて3種類の方法があります。
冷燻 | 温燻 | 熱燻 | |
---|---|---|---|
燻煙温度 | 15~30℃ | 50~80℃ | 100~120℃ |
燻煙時間 | 数時間~1ヶ月 | 30分~数時間 | 5分~1時間 |
保存性 | ○ | ○ | ✖ |
風味 | 上品な風味 | 深みのある風味 | 香ばしい風味 |
その他特徴 | 水分が少なく旨味が凝縮 食材に火を通さない | 季節を問わずできる | 水分が多く残りジューシー |
詳しく知りたい方は下記の本ブログ内記事に燻製の基礎知識が書いてあります。
【燻製は熟成】燻製の基本知識。燻製とは?燻製の効果と種類、現代の燻製、世界の燻製
鍋でやる燻製は基本的には熱燻です。スモークチップを使います。
鍋で燻製をする場合、温燻や冷燻が出来ない事がデメリットになります。
事前準備

- 鍋底にアルミホイルを敷く
- スモークチップを①の上に置く
- 脂・水避けのアルミホイルを敷く(※重要!)
- 丸網を③の上に置く
- 食材を④の上に置く(風乾してね!)
- フタをする
上記工程の注意点や補足を書いて行きますね。
①は、鍋が汚れなくて、片付けが楽です。終わったら黒焦げのチップが残るので、水で濡らしてクシャクシャっとして捨てればOKです!
②のスモークチップは、片手で軽めに一掴みくらいです。正直、量はかなり適当でもOKです!⑧の燻煙時間の方が重要です。
例えば、下の写真のような感じ。
量は本当に適当でOKです。

③は意外と重要です。
食材から落ちる水分や脂がスモークチップに落ちると渋味が出たり、脂によってチップが炎上するとススだらけに。
食材を暖めると意外に水分や脂が多く出てきます。図にあるように、アルミホイルをカップ状にしてチップへ流れ落ちないようにしましょう。
コンロの熱が直接食材に行かず、拡散して鍋内の温度全体が安定しやすくなる効果もあります。
下の写真のような感じ。
網の下にアルミホイルがあって、スモークチップが見えてませんよね?

④⑤⑥は書いてある言葉通りですが、色々やってる間に下のホイルがずれないように!
丸網とフタを写真で見ると下のような感じ!


チップに脂が
落ちないように!
スモークチップを使った燻煙のやり方
- コンロの一番強火で1分弱鍋を熱し、煙がモワモワ出たら一番弱火にする
- 10分程度煙をかけたら火を止めて、数分後にフタを取る
- 数分以上は熟成して、食べる😋
こちらも、補足していきますね。
①は最初は怖いと思いますが、1回やればすぐわかります!弱火にしても煙が止まらないことを確認しましょう。
煙がチョロチョロ脇から漏れ続けているのが、良い状態です。強火のままだとチップが発火してしまい失敗となります。
②は時間を守ってやりましょう。
この燻煙のやり方を熱燻というのですが、熱燻は香りの付きが非常に速いです。5分多くやっただけで真っ黒になったりします。
火を止めた後のフタを取るタイミングも時間を守りましょう。遅すぎると香りはどんどんついていって真っ黒になります。
③は、熟成と言ってもやる事は放置するだけです!
燻煙が終わって5分から1時間以内くらいに食べると良いです。
熱燻は香りの付きが非常に速い反面、香りの抜けも速いです。
基本的に熱燻は表面に少し香りが乗っているだけなので、長時間の熟成にあまり向いていません。
保存する場合は密封して1日以内に食べる。野ざらしにしておくと香りが抜けていきます。
燻煙時間は大事!
鍋の選び方
中華鍋かフライパンか?

- 鍋は空焚きOKなもの(中華鍋など)
- 鍋、フタ、丸網の直径は、「鍋の内側>フタ>丸網」の順番で小さくなるようにする
鍋は何でも良いのですが、空焚きOKなものが必要です。
テフロンのフライパンは空焚きすると有毒ガスが出るので注意です。
でも使い古しのフライパンはテフロンが剥がれてしまっていることも多いので、そんなに有毒ガスが出なくなっていることもあります。
安く済ませるために自己責任で家にある古いフライパンを燻製用にしてしまう人も多く、それもアリ!
テフロンのフライパンを新品で用意するのはおすすめしないです。
無難にやるなら中華鍋です。理由としては深さがあるという点で、鍋もフタも高さがあった方が煙が循環して良い燻製が出来やすいです。
先ほどの写真を見ても、高さがありますよね?

中華鍋はお手入れすれば燻製と料理、兼用で使うことも可能です。
下記で紹介してます!
煙は少し漏れるくらいの隙間があるのがベスト。完全に密封した燻煙よりも空気が流れていく燻煙の方が圧倒的に美味しく出来ます。
他にも下記のようなポイントはありますが、結論としては空焚きできる鍋ならどんなものでも良いので、とりあえず試行錯誤するのが燻製の楽しいところ(笑)
- 鍋は深さがあるとベター
- 鍋の内側に突起が無い物がベター
- フタは、高さがあるとベター。上から水滴が落ちないよう、ナナメになっているもの(ボウルなど)
例として、私が使っている中華鍋、フタ(ボウル)、丸網を載せておきますね。
空焚きできれば
どんな鍋でもOK!
スモークチップ・スモークウッドの選び方
鍋ならスモークチップを買う

市販品は大きく分けてスモークチップとスモークウッドがあります。
鍋でやる場合は、スモークチップを買いましょう。
スモークチップの種類は、SOTOのサクラ、ヒッコリー(オニグルミ)、クルミが万能でおすすめです。
この3つから選ぶなら後悔はしないので、フィーリングでOK!
サクラが一番「ザ・燻製っぽい」香り🌸、ヒッコリー(オニグルミ)とクルミが万能な香り。
それ以外のチップ(リンゴ、ウィスキーオーク、メープルなど)は少しクセがあり、あらゆる食材とはいきません。
【下ごしらえ無し!】鍋でやるお手軽燻製でおすすめの食材
メジャーで失敗が少なく、かつ美味しい物を挙げました。
塩漬けやカットなどの下ごしらえが不要な食材ばかりです♪
市販のウィンナーソーセージ、ベーコン
鉄板です。ただ、パッケージから出すと意外に水分が表面についているので風乾はしっかりと。
干物
燻煙するとパリッと感は失われるので、焼く場合は、焼く前に燻煙しましょう。
カニカマ、かまぼこ、ちくわ
水分があるので風乾は必要なんですが、パサパサにしてしまうとあまり美味しくないので、乾燥しすぎには注意しましょう。触って手に水がつかないくらいなら燻煙してOKです。
お手軽燻製で(最初は)おすすめしない食材
良くおすすめされている食材のうち、1回目にやるべきではない物を挙げています。
チーズ
チーズは熱くしすぎると溶けるという点と、暖めると水分がたくさん出る(表面に汗をかく)ので、何も考えずにやると失敗することがあります。
ただ、難しい訳ではないので2回目以降はやってみるのもアリです!
ナッツ
ナッツは煙のかけ具合が少しシビアで、ナッツの種類によっても違います。
また、熱燻するとすぐに湿気やすくなるため、私はナッツに関しては温燻か冷燻でやることをおすすめします。
ただ、すぐ食べるのなら熱燻でもそれなりに出来るので、こちらも2回目以降やってみるのはアリだと思います♪
その他、用意すると良い小物
アルミホイル
中華鍋燻製に必須な他、液状に近い物を燻煙する時に容器として使うと便利です。
クッキングシート
網の隙間から落ちるような細かい食材をやる時に使うと便利です。
アルミホイルと違って煙がシートを若干透過するので、裏側も燻煙されます。
キッチンペーパー
食材の水分を拭き取る際にあると便利です。
トング
食材並べたり取ったり。箸だとやりづらいです。
バット or トレイ
多くの食材を一時的に置いたりするのに重宝します。
まとめ:風乾と熟成を少し意識する

この記事では鍋で手軽に燻製をやる際に失敗しやすいポイントと、最低限必要な物をピックアップしました!
放置するだけの「風乾」と「熟成」工程を意識すれば、深みのある燻製に!
最近は1万円以上する立派な燻製器も売られていますが、まずは身近な物で1回やってみましょう♪
困ったことがあれば、お気軽に筆者のX(旧Twitter)@Kenshi2009までご連絡ください😊
鍋を使った燻製以外で簡単な燻製方法として段ボールを使う方法があります。自作段ボール燻製器について詳しく解説した記事もありますので、合わせてどうぞ!
そもそも燻製の定義って?と思った方は、下記の記事で詳しく解説しています✨
燻製に用いるスパイスについて書いた記事もあります!
筆者がどんな燻製をやっているかも眺めてみたい方は、本記事一番下の「本ブログについて」を見て頂けると嬉しいです👍
また、燻製教室をやった時の記事は下記になります。
最後まで読んで頂いてありがとうございましたm(_ _)m
おわり。

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この記事を書いた人 Wrote this article
kenshi2009
燻製するフォトグラファー。燻製教室と写真撮影でお仕事したりブログ書いてます。燻製16年目🍖、写真25年目📷、ブログ25年目📓。EOS R6使用。 燻製も写真も季節を楽しみながらやってます🍂 写真の無断転載は禁止。奈良好き🦌 Twitterにほぼ毎日います!【SNS一覧:https://lit.link/kenshi2009】