【徹底解説】燻製におけるスパイス・ハーブの使い方まとめ

【徹底解説】燻製におけるスパイス・ハーブの使い方まとめ
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スパイス検定3級を取得している筆者が、燻製に良く使うスパイス類をまとめました。

普段はレシピ通りに使っていけばスパイス・ハーブを使うことは簡単です。

ただ、それぞれのスパイス・ハーブの大まかな役割を知っておくことで他の料理で使えたり、適切な量を使えるようになったりします。

難しくはありませんので、この記事で燻製に良く使うスパイス・ハーブを、私がどのように燻製に活用しているかも交えて解説していきます。

筆者は2009年から燻製を作り続け、キッチンで10分あれば出来る燻製から大型のスモーカー(燻製器)を使った1か月かかる本格的な燻製まで、色々なレシピを考えています。
燻製が一般的でない頃から燻製教室を行って燻製を広めたりもしています。

ディアさん

ディアさん

オマエ・・
スパイス検定なんて
持っていたのか

kenshi2009

kenshi2009

スパイス検定はスパイスの使い方だけでなく
歴史や発祥も勉強できて面白いですよ!

スパイス・ハーブが持つ様々な作用

スパイス・ハーブの種類によって、様々な作用があります。

矯臭作用

食品の製造過程で付いてしまった臭いを隠したり、より好ましい香りに改善したり(マスキング)、失われた臭いを補ったりすることです。臭いの矯正ということですね。

脱臭作用

これは単純で、臭みや刺激臭を取り除く作用です。矯臭との違いは新たな臭いで隠すか、臭いそのものを取り除くかの違いです。

賦香作用

スパイスの芳香を料理につける作用です。

呈味作用・辛味作用

苦味、甘味、辛味を付加することができる作用です。

着色作用

着色をすることが出来る作用です。

抗菌作用・防腐作用

食材の雑菌繁殖を抑えたり、腐敗を防止する効果です。

色々なスパイスに抗菌作用・防腐作用があるので、この記事では特に作用が強いスパイス・ハーブについて、個別の説明で記載しています。

スパイス・ハーブの選び方

【S&B(エスビー食品)でOK】

スパイス・ハーブはピンキリで色々売られています。

パウダー、ホール、生ハーブ、高級スパイスなどなど。

ですが、とりあえず試すならS&B(エスビー食品)のスパイス一択で全く問題無いです!

理由は下記です。

  • 悪くない品質で安い!
  • 品質がいつでも安定している
  • どこでも売っているので料理の再現性が高い

つまり、安い割に香り・味が安定しているというのが大きな理由です。

慣れる前に余計な物に浮気するとスパイスの味がブレたり、作る度に香りの立ち方が違ったりに繋がります。

パウダーとホールの選び方

同じスパイスでパウダーとホールが売られている場合、どちらを選べば良いか?

パウダーはすぐ使える分、風味でホールに劣ります。基本的にはコーヒーの粉と豆と同じ考え方です。

一方でスパイスのパウダーとホールの場合、料理にどのように使うかが重要な時もあります。

例えば、ホールで丸ごとスパイスを入れると最後に取り除かないと食べづらい場合、あえてパウダーを使うのも良いでしょう。

ホールの方が風味は出るが、食べやすさや調理の手間を許せるかでパウダーを使うのも全く問題ありません。コーヒーのように粉のまま放置すると酸化して雑味が出るといった事も無いです。

燻製で良く用いるスパイス

ここからは、燻製にこれらのスパイスがどのように活用されているかを解説していきます。

矯臭・脱臭作用のあるスパイス・ハーブ

燻製では漬け込み時に肉や魚の臭みを消すために使うことが多いものです。

ローレル(ローリエ、ベイリーフ、月桂樹)

https://www.sbfoods.co.jp/selectspice/laurelgourmet_h.html

賦香作用も若干ありますが、矯臭・脱臭作用が強力なことで有名です。

ほとんどの肉・魚の燻製で、漬け込みの際におまじないのように入れています

賦香作用はきつくないので、多少入れすぎても問題無いです。ちぎって入れるのが定番です。

セージ

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09174.html

肉の臭みを消す力が非常に強く、ソーセージには必須です。

香りは少し苦みがありますが、それほど強烈な香りではありません。

ソーセージをはじめ、肉の燻製に使うことがあります。

ローズマリー

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09193.html

強い香りとほろ苦さによって肉の臭みを消す効果があります。

私は鶏肉の燻製で漬け込みの際に良く使っています。

鼻がスッとするほど強い香りなので、入れすぎには注意です。

タイム

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09176.html

さわやかな香りとほろ苦さで肉や魚の生臭さを消す効果があります。

私は魚の燻製で漬け込みの際に良く使っています。

殺菌作用も強いため、ソーセージを作る際にも多めに入れます。

普通の料理だと肉団子等にも良く入れます。

オレガノ

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09165.html

矯臭作用が強く、鶏肉やラム肉に使うと良いと言われています。

トマトとの相性がとても良いことで有名で、私の場合はトマトとモッツァレラのカプレーゼに必ずと言って良い程かけます。

オニオン

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09164.html

刺激臭と辛味が強いですが、加熱によって甘味が出ます。

肉、魚の臭み消しに効果があり、私は肉や魚の燻製で漬け込む際に生の玉ねぎスライスを入れて漬け込みます。

ガーリック

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/13463.html

強い刺激臭があります。

味付けとしても優秀ですが、肉や魚の生臭さを消すのに高い効果があります。

私は肉の燻製でオニオンスライスとセットで使います(魚には使っていません)。

賦香作用のあるスパイス・ハーブ

燻製では漬け込み時に使用しますが、臭み消しだけでなく香り付けにも期待している物が多いです。

パセリ

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09185.html

強い香味を持ち、栄養分が豊富です。

漬け込みに使うことはあまりありませんが、燻製して煮込む料理で煮込む際に入れたりします。

また、食べる際にはおなじみのハーブですね!

バジル

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09184.html

独特の爽やかな香りがあります。トマトにとても良く合います。

私はスモークサーモンを作る際、漬け込み時にアクセントとして入れています。

殺菌作用も強く、強壮作用もあります。

クローブ

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09113.html

香りが非常に強く、離れていても香りがします。

肉の臭みを取る矯臭効果もあり、挽肉料理に使われます。

私はソーセージに少し入れたりしますが、非常に香りが強いので少量で良いです。

実は、チャイを淹れる際に使ったりもします。

ナツメグ(ナツメッグ)

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09136.html

甘い刺激性の香りとほろ苦さがあります。

クローブと同じく肉の臭みを取る矯臭効果もあり、挽肉料理に使われます。

燻製ではソーセージを始め肉の燻製で良く使います。

クローブよりも落ち着いた香りで甘味もあるので、お菓子にも使われます。

カルダモン

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/16942.html

矯臭作用が強く、香りも強いです。

燻製ではソーセージに使いますが、入れすぎには注意です。

コリアンダー

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/16945.html

葉っぱの部分はパクチーとして知られている植物の種子です。

種子であるコリアンダーは甘くさわやかで、少しスパイシーです。

カレーに良く使われるほか、お菓子にも良く使われます。

私が作る燻製ではソーセージや煮込み料理に入れることがあります。

オールスパイス

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09099.html

クローブ、シナモン、ナツメグを混ぜたような複雑な香りを持ち、幅広い利用ができます。

私は燻製を作る際、塩、コショウ、オールスパイスのセットはほぼ定番で使っています。

それほど強い香りでもないので、かなりたくさん入れても大丈夫です。

呈味作用・辛味作用のあるスパイス・ハーブ

燻製では漬け込み時に使って香りを付ける他、食べる際にかけてさらに香りを楽しむためにも使います

白胡椒(ホワイトペッパー)

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09156.html

あらゆる料理に使われ、スパイシーで辛味のある刺激が加わります。

白胡椒はマイルドで辛味も弱いです。

私はあらゆる燻製に使っていますが、食べてもらう相手によって白胡椒と黒胡椒のブレンド率を調整したりします。

胡椒が苦手な人は白胡椒の方が大丈夫なことが多いです。

黒胡椒(ブラックペッパー)

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09147.html

あらゆる料理に使われ、スパイシーで辛味のある刺激が加わります。

黒胡椒は香りや辛味が強烈で、人によっては咳込むことも。

私はあらゆる燻製に使っていますが、食べてもらう相手によって白胡椒と黒胡椒のブレンド率を調整したりします。

胡椒が苦手な人は白胡椒の方が大丈夫なことが多いです。

ペッパーミックス(レインボーペッパー)

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09066.html

ブラックペッパー、ホワイトペッパー、ピンクペッパー、グリーンペッパーを混ぜ合わせたものが一般的です。

香りや辛味に広がりが出るので、燻製でパストラミを作る際は定番で使っています。

ちなみにピンクペッパー、グリーンペッパーは単体だと香りや辛味が弱く、燻製においてピンクペッパーやグリーンペッパーだけで使う機会は少ないです。

唐辛子(レッドペッパー)

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09106.html

最も強い辛味を持ち、香りは無いです。

燻製において漬け込みに使うことは無いですが、燻製後の調理や、燻製を食べる際に使うことがあります。

鶏ササミの燻製などは、トースターで炙って唐辛子をつけると美味しいです♪

生姜(ジンジャー)

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09126.html

爽やかな辛さと甘い芳香を持ちます。

肉を柔らかくする効果があるため、ベーコンやスペアリブ燻製の漬け込み時や煮込み時に使うことがあります。

着色作用のあるスパイス・ハーブ

燻製では漬け込み時に使い、家庭で手軽に発色させるのに使います。

味にはそれほど影響がありません。

パプリカパウダー

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09141.html

料理に赤い色付けをするスパイスとして非常に広く利用されています。

燻製においては、ベーコンなど肉の燻製時に入れておくと色が良くなります。

ちなみに、お店で売っているベーコンには発色剤として「亜硝酸ナトリウム」「硝酸カリウム」「硝酸ナトリウム」等が使われています。

これらは一般人には入手が難しいので、私はパプリカパウダーを使っています。

ターメリック(うこん)

https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/09131.html

料理に黄色い色付けをするスパイスとして広く利用されています。

カレーでおなじみのスパイスと思いがちですが、いわゆる「カレー味」はターメリックにはありません。

土臭いような独特な芳香がありますが、それほど強くはありません。

燻製においては燻製タンドリーチキンを作る際に使ったりします。

まとめ:燻製のバリエーションも広がる

スパイス・ハーブを使いこなせば、燻製のバリエーションも広がります。

今回は、一度使えばわかるようなメジャーなスパイスばかり紹介しました。

S&Bのスパイスであれば1本100円~200円程度で色々なスーパーで売ってますので、是非お試しください♪

最後まで眺めて頂いてありがとうございましたm(_ _)m

おわり。

レシピが見てみたくなった方は、改めて下記おすすめ記事のレシピを眺めると、

この記事で紹介したスパイスがたくさん出てきますよ😊

この記事を書いた人 Wrote this article

kenshi2009

燻製するフォトグラファー。燻製教室と写真撮影でお仕事したりブログ書いてます。燻製16年目🍖、写真25年目📷、ブログ25年目📓。EOS R6使用。 燻製も写真も季節を楽しみながらやってます🍂 写真の無断転載は禁止。奈良好き🦌 Twitterにほぼ毎日います!【SNS一覧:https://lit.link/kenshi2009】